令和5年9月定例会の報告

9月16日(土)に9月度の定例会を開催しました。今月の第一部は大阪医科薬科大学薬学部薬物治療Ⅰ研究室の加藤隆児教授に「お薬の上手な飲み方~吸収に関するお話~」というテーマで教育講演をいただきました。お薬の話は、私たちや家族にとって非常に身近で大切なテーマなので、大変勉強になりました。お話の編成は、様々な剤型がある中で、特によく服薬する錠剤に絞って、①お薬を飲む時間について、②お薬は何で飲むと良いか、③お薬の飲み合わせという内容でした。いずれのお話も普段から気にはなっていますが、なかなか学ぶ機会がないという内容ばかりです。お薬を飲んでから小腸に届くまでどれくらい時間がかかるか、なぜお薬を牛乳やお茶、グループフルーツジュースで飲むといけないのかということを、実験データを示しながら説明をいただきました。また、お薬の飲み合わせに関しては、健康食品やサプリメントとの飲み合わせの注意点や、高齢者に多くみられるポリファーマシー(多剤服用による有害事象)の解消に向けたお薬手帳の活用などを教えていただきました。
第二部の会員発表は、当会の監査役でもある赤木さんが「①粘膜免疫/乳酸菌について」と「②新しい熱中症対策〝身体内部冷却″」という2つのテーマで発表を行いました。①では、免疫力が低下する原因や免疫が働くプロセスには粘膜免疫(防御)と全身免疫(攻撃)の2段階があるという説明がありました。また、感染予防の観点から粘膜免疫の重要性を述べるとともに粘膜免疫の主役であるIgAという抗体物質を増やす乳酸菌が紹介されました。②では、熱中症の症状や熱中症対策のポイントとともに深部体温に着目した新しい熱中症対策『身体内部冷却』が紹介され、その具体的な実践方法について説明がありました。

加藤先生


赤木さん


会場風景