令和5年10月定例会の報告

10月21日(土)に10月度の定例会を開催しました。今月の第一部は大阪医科薬科大学薬学部医薬分子化学研究室の山田剛司准教授に教育講演をお願いしました。テーマは「身近な海洋生物の毒」という興味あるお話でした。山田先生のご研究のテーマは「海洋生物由来真菌の産生する抗がん剤シリーズの探索」及び「ヨシ幹皮に含まれるアルツハイマー型認知症予防成分の解明」など、海洋生物や植物などに蓄積している自然毒から、健康増進や医薬品に繋がる物質を研究されています。
私たち日本人は海に囲まれた島国で生活をしているので、生の魚介類をよく食べています。よく耳にするアニサキスは卵を取り込んだ小魚の中で孵化して幼虫となり、その小魚を捕食したクジラの中で成虫、産卵という生活サイクルです。人が生の魚を食することで幼虫が食中毒(アニサキス症)を発症するという話です。その他、フグのテトロドトキシンや、牡蠣や貝類の毒性など身近に食べている海洋生物の毒について教えて頂きました。このような海洋生物の研究の一環と思いますが、先生のご趣味は魚釣りだそうです。
第二部の会員による健康一口話は、介護保険制度の基本的な話と杉岡会長のお母様の要介護認定審査の経験を通して、要介護認定区分がどのように決められるかという発表でした。要介護認定区分の一次判定は、介護施設に入所している3,500人の高齢者の介護に要した「1分間タイムスタディ・データ」に基づき、コンピュータで判定が行われます。その判定を基に、2次判定の介護認定審査会で最終的に決定します。介護認定区分は、その人の見た目の状態や疾病だけでなく、その人の介護に要する時間(要介護認定等基準時間)で決まります。

山田先生

 

山田先生

 

 


杉岡会長