令和6年度8月定例会の報告

8月17日(土)に大阪大学中之島センターで関西会の8月度定例会を開催しました。今月の第一部の外部講師は、関西会が後援を頂いています一般社団法人大阪府薬剤師会の常務理事でもあり、神戸薬科大学臨床特命教授でもある山本克己先生に、教育講演をお願いしました。タイトルは「くすりの素顔をのぞいてみよう 」というお話でしたが、私たちに配慮を頂き、専門的な内容にならないよう症例写真や多くのトリビア(豆知識)を盛り込みながら教えていただきました。薬は本来毒であり、一つ間違えば私たちの心身に牙をむく猛獣にたとえられますが、牙をむかせず飼いならすことによって病気を治したり、健康保持に役立つようにすることが重要であるということを教えて頂きました。会員には高齢者が多く、ポリファーマシーが気になる人も多いと思います。背景には診療科目が多様化して複数の医療機関に通院することによって薬剤の種類が多くなってしまうという現状にありますが、単に服用する薬剤の数ではなく、不要な薬剤がないか、また薬効の重複している薬剤がないかなどに関心を持って服用するとともに、薬の保管方法や服用方法にも注意を払っていくことを改めて認識しました。
 第二部は、杉岡会長が「100年へルスケアバイブルⅠ」の第4章テーマ別へルスケアの中から「がん予防と糖尿病予防」について発表を行いました。がんと糖尿病は、患者の長期にわたるQOLや生命を脅かす疾病ですから、これまでの健康日本21でも長期にわたり対策が取られてきています。今回の発表では、「細胞の病気」「遺伝子の病気」と言われるがんの基本から生活習慣によるがん予防の話と、糖尿病の基本的な話から合併症の糖尿病性腎症を中心とした内容でした。

山本克己先生
杉岡会長