令和6年度9月定例会の報告

 9月21日(土)に大阪大学中之島センターで関西会の9月度定例会を開催しました。今月の第一部の教育講演は、大阪医科薬科大学薬学部薬剤学研究室教授の永井純也先生にお願いをしました。タイトルは「薬をより良く効かせるための技術」ということで、講演が始まるまでは何か難しいそうなお話だと思っていましたが、講演が始まると先生の解りやすいお話に皆さんも聞き入っておられました。私たちは日頃何らかの薬を服用していますが、経口薬であればその薬が口から胃や小腸で溶けることによって、薬の効能を最大限に高め、また副作用を最小限に抑えるためのドラッグデリバリーシステム(DDS)の吸収改善、放出制御、ターゲティングについて初めて知ることができました。私たちがよく耳にしている実際の医薬品を例に、隠されたDDSの技術を具体的に私たちにも解るように教えて頂きました。これまで薬がお腹の中に入った後のことはまったく意識せずに服用していましたが、安全性や有効性を保持する製薬技術の一端を知ることができました。また、終わりの方では光線力学療法やデジタル医薬品の最新の薬剤開発の話題にも触れて頂きました。今回の講演をお聞きして、医薬品はこれからどこまで進化するのだろうと驚嘆しました。
 第二部は、杉岡会長が「100年へルスケアバイブルⅠ」の第4章テーマ別へルスケアの中から「未病とセルフコンディショニング」というテーマで、テキストの内容に沿って発表を行いました。西洋医学の恩恵を受けている私たちにとって、未病や補完代替医療法や統合医療などをどのように理解し、それらとどのように向き合えば良いのか、と考える上でトリガーになればと思います。また、日常的な疲労や不定愁訴に対してセルフコンディショニングが大切ですが、そのためにもヘルスリテラシーや医療リテラシーの向上が求められます。

永井純也先生

会場風景