令和6年11月定例会報告

 11月16 日(土)に大阪大学中之島センターにおいて関西会の11月度定例会を開催しました。今月の第一部の教育講演は、大阪医科薬科大学  薬学生涯学習センター専門教授の坂口 実先生に「老化細胞の除去は加齢に伴うヒトの健康を改善するか?」というテーマで、加齢性疾患の原因ともみなされている老化細胞の除去に関する研究や薬剤開発の現状を教えて頂きました。講演の内容は、これまでの老化研究の歴史的な流れの中で、個体の老化と細胞の老化に関する重要な研究のポイントを教えて頂きました。そのような研究の積み重ねによって、老化した細胞が加齢に伴い他の正常な細胞に与える影響によって加齢性疾患が引き起こされると考えられています。更に、講演では細胞老化の仕組みと併せて、老化細胞除去薬や老化細胞阻害薬の開発の現状なども紹介して頂きました。講演の後の会員からの質問では、老化細胞除去薬によってすべてを除去してしまって問題はないのかという懸念の質問も出されました。
 第二部は、杉岡会長が公式テキスト「100年へルスケアバイブルⅡ」の第1章「へルスケアリーダーとして知っておきたい現在の制度・政策」の中から、「Section6データヘルス計画」について発表を行いました。テキストでは、コラボヘルスなど被用者保険のデータヘルス計画の取り組みの内容となっていますが、Section3とSection4の内容も考慮して高齢者医療広域連合の第3期データヘルス計画策定の保健事業の中核をなす「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」を中心に発表されました。発表では、実際の広域連合のデータヘルス計画の事例も紹介されました。「在宅で自立した生活がおくれる高齢者の増加」という一体的実施の目標に向かって、健康マスターとして通いの場の活動など何ができるのかということを皆さんと考えていきたいと思います。

坂口先生
講演風景
杉岡会長